スキルより感性を伝える部下教育

さて、命じられたグラフ作成をやり遂げた部下は、上司の価値観では“虚構”にすぎない思いつきを、グラフによって短時間のうちに固定観念や信念にまで進化させました。

作り方を教えてくれた先輩や、出来上がった図表に意見をくれた周囲の人たちの協力もあり、思いつきを深堀しました。
今ではちょっとしたベテラン気取りで、応援してくれる仲間までいます。

「それでは先月の活動報告をします」とプレゼンを受けた瞬間、尻拭いのために駆け出さなければならない羽目になる社長がいたり、
「先週の週報です」と提出されたレポートを読んだとたん、頭に血が上りカミナリを落とす部長がいるかもしれません。

グラフなんて作らせなければよかった、と悔やんでも後の祭り。
部下たちは、自分たちの結束を否定する上司を共通の仮想敵とし、下手に力関係だけで押さえ込むとしがらみが生じることさえあります。

反抗ともいえる部下たちの立ち居振る舞いにはに手を焼くでしょうが、これは上司として教育すべきところで手を抜いたせいと言えるかもしれません。