経営者・管理者がカウンセラーになる方法

相談を受ける側の話をします。

もしも、悩みを訴えに来た相談者が何も話さず、ただずっと黙っていたとしても、ここまで体を運んできた理由は必ずある。

逆に、口数が多すぎる相談者は、しゃべり続けることで何かを隠そうとしているのかもしれない。

言葉にする表のニーズと、言葉にしない(できない)裏のニーズ。
相談者の話は、2枚腰であることがほとんどといえるでしょう。

これを知らなければ質の良い対応ができません。

多種多様な相談者たちから、ある程度の基礎情報を手に入れたら、いよいよ本題に入ることになりますが、この時のアプローチ方法により、その後の展開はまるっきり別のものになります。

ここで、最初に書いたカール・ロジャーズの言葉「治そうとするな、わかろうとせよ」が登場します。

「治そう」とするなら、表のニーズと裏のニーズをそれほど厳密に区別せずとも、治しやすいところから手を付ける方針でも良いでしょう。

一方、「わかろう」とするなら、表裏の区別は必須になります。
触れたくないことや、知られたくない気持ちも理解しなければならないからです。

経営者や管理者がする相談ですから、それを受ける側が提供するのは知識や技術などの知的介入や、人材提供または外注請負などの人的・物的介入になることが多いと思います。

そして、「治すタイプ」と「わかるタイプ」とでは、提供する能力が一定のものだったとしても、その処方の仕方に大きな差が出てきます。