第2幕:乱世に乗じるスペシャリスト

一般に、派遣社員の大半は、クライアントのことをほとんど知らないまま着任します。

まずは『即戦力=作業のプロ』と考え、自分に与えられる作業をそつなくこなすことに専念するでしょう。
あまり大口をたたくとハードルが上がってしまうので、最初は控えめに、余裕があれば徐々に守備範囲を広げて自分の足場を固めていくのが無難です。

私が置いた目標は『Access活用による業務改善』です。
もちろんクライアントの状況を知らないから細かなプランは無く、漠然とです。

それに、Accessを使ったことがない。

にもかかわらず、数日後に基幹システム開発会社のエンジニアに、「システムからAccessへのデータ出力は可能」と聞くなり早速、クライアント内での上司にあたる部長さんにプランを語っていたから、無難な立ち回りではなかったと思います。

でもたぶん、『乱世だから大丈夫』という自信があったのかもしれません。